人心は、木漏れ日に似る
海里は聞き直す。

「人が、木漏れ日と一緒?」


うん、とほのみは力強く頷いた。


「ほら、木漏れ日って、光と影が重なってできてるじゃない。

光だけでも、影だけでもない。

だからあんなに綺麗なんだよ。


人も同じ。

すっごく素敵な所もあれば、かなり嫌な所もある。

誰にでも、光と影の両方があるんだよ。


両方あるって知ってるから、私は完全には人を嫌いにならないし、いい所は認めたいと思う」


それを聞いて、海里は、ほのみがラリーで木漏れ日を見たことに納得した。

班員達の光と影を、ほのみはきちんと見据えていたのだ。



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