人心は、木漏れ日に似る
海里は出口へ向かいながら、将樹に言う。
「嫌なら、入らなければいいだろ。
嶋根はむしろ入りたがってたみたいだし」
修学旅行みたいだ、と嶋根平子は言っていた。
巻校は、文化活動が盛んな学校だ。
音楽祭、芸術祭、文化祭が頻繁に行われる。
しかし、修学旅行のような、班活動主体の屋外行事はない。
平子にとって、今回のラリーは貴重な体験に違いなかった。
「だって、サワちゃんは嫌がってたぜー。
こんな所入ったら、服が汚れちゃうしな」
「秋川は喘息無いだろ」
そう言って、海里は出口のドアノブに手をかける。
「海里、ポイントはいいのか?」
「ポイントは外。
よく考えたら、屋内に人が出入りした形跡が無い」
「……はぁ!?」
将樹が思い切り声を上げたので、海里は将樹が咳き込まないよう、ドアを全開にしてやった。
「嫌なら、入らなければいいだろ。
嶋根はむしろ入りたがってたみたいだし」
修学旅行みたいだ、と嶋根平子は言っていた。
巻校は、文化活動が盛んな学校だ。
音楽祭、芸術祭、文化祭が頻繁に行われる。
しかし、修学旅行のような、班活動主体の屋外行事はない。
平子にとって、今回のラリーは貴重な体験に違いなかった。
「だって、サワちゃんは嫌がってたぜー。
こんな所入ったら、服が汚れちゃうしな」
「秋川は喘息無いだろ」
そう言って、海里は出口のドアノブに手をかける。
「海里、ポイントはいいのか?」
「ポイントは外。
よく考えたら、屋内に人が出入りした形跡が無い」
「……はぁ!?」
将樹が思い切り声を上げたので、海里は将樹が咳き込まないよう、ドアを全開にしてやった。