人心は、木漏れ日に似る
海里の住む地区の学校には、「合同宿泊訓練」、つまり合宿という行事がある。

しおりによると、目的は「特色の異なる学校同士が交流し、互いの視野を広げる」
こと。


海里は、そういう「みんなと仲良くしましょう」といった行事がとても苦手だ。

人と会うのも話すのも、最低限で済ませたい、といつも考えている。

だが、そんな海里の意思とは関係なく、東陽学院高校へ入学早々、海里は「1年生・5月実施組」に振り分けられてしまった。


そして今、海里は、山奥の宿舎で班ごとに昼食をとっている。

海里の班は6人。

6人掛けのテーブルに着き、自己紹介をしていた。



< 3 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop