人心は、木漏れ日に似る
「誰?あの子」

荘田ほのみが、川岸から身を乗り出す。


将樹はのんびりと、

「なんだ、星園かよ」

などと言って、視線を女生徒から外した。

星園は、いわゆる底辺校だ。
評判は、あまり良くない。

すかさず、秋川サワがつぶやく。

「星園?

頭おかしいんじゃない、あれ」


嶋根平子は、おどおどと班員を見回している。

畑みかげはいつの間にか、川岸から最も離れた位置に、立っていた。


そんな班員の態度など意に介さない様子の女生徒は、傲慢な姿勢を崩さない。

「来なさい。

そうね、全員。

全員来なさい」


サワは、小さく「ワケ分かんないし」とつぶやいて、無視を決め込むかの様に、体の向きをずらした。



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