人心は、木漏れ日に似る
話したいと、ほのみは言った。

おそらく、この場にいた誰もが、考えもしなかった言葉だった。


「だって、あんなに一生懸命呼んでるんだし」

さらにほのみは、そう言ってのけた。


畑みかげは、眉根を寄せるサワの脇を通ってほのみに近付くと、ほのみの肩を掴んで自分の方を向かせ、低い声でささやく。

「あなたねー、あれはナメられてんの。

分かってる?その辺り」


ほのみは、至近距離でみかげを見ると、再び女生徒へ視線を投げようとする。

「そう……?」


嶋根平子は、途方に暮れたように二人を見て、独り言のようにつぶやいた。

「……ねえ、今って何が問題なの?

あの子と話すかどうか?
それとも、川を渡るかどうか?」



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