Dear My Angel
「そういえば、もうすぐ香澄の誕生日だよね?…前から行きたがってた映画行こうよっ!それから…」




しかし、香澄は話を遮るように…


「ゴメン…行けない」




「え…だって前から約束…」


香澄の口調が少し荒くなった。


「無理なの…テツ。ごめん!本当に…ごめんね…無理なの…」




言い終わらないうちに涙が溢れてきて、声にならなかった…。



「き…気にしないでさ、また映画なんていつでも…」


泣き出した香澄にテツは動揺した。



「…もうずっと…無理なの。テツ…」
< 118 / 320 >

この作品をシェア

pagetop