Dear My Angel
すると後ろからポンッと肩を叩かれた…。
仁奈が振り返ると、寂しい顔の瀬玲奈がいた…。

「…瀬玲奈さん…?」





「仁奈ちゃん…ちょっといいかな…?」




「…はい?」






ロッカールームに入ると、瀬玲奈は仁奈に話し始めた……。




テツの『過去』を……



仁奈は、言葉を失った。





「……テツさん。知らなかったです…。そんな事があったなんて…」






瀬玲奈は冷静に答えた…。
「テツくんだけじゃない…いろんな人が、いろんな過去を持ってるわ。…私だって…」




瀬玲奈の表情が、優しいけど…物憂げなものに変わっていた。
仁奈は涙を拭い、瀬玲奈を見た。





「瀬玲奈さん…」


我に返った瀬玲奈は、笑顔で仁奈の頭を軽くクシャッとして言った。


「仁奈ちゃん!…店長が待ってる。行こっ♪」



「はい…」

2人は店内に戻った…。
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