Dear My Angel

いつもの公園…通称『チビっこ公園』と呼ばれている。小さな広場にブランコと滑り台だけの遊具…。そして一つだけ離れて置いてある、木製の青いベンチ。



テツは、チビっこ公園の青いベンチが気に入っていた…。






公園の前の自販機で缶コーヒーを買って、公園の青いベンチの真ん中で空を見上げながら、缶コーヒーをクイっと飲む…一人きりの時間が嫌いなテツが、唯一好きな一人で過ごす時間だった…。



公園に着き、青いベンチに力なく近付き、ドカッと座った……。





「フゥー……」

缶コーヒーを一口飲んで、空を見上げた。
数個しか見えない星空を力なく見つめていた…。そして、ある女性を思い出していた…。





「…香澄。もう4年たつんだよ。君がいなくなってさ……」






缶コーヒーのプルタブに、一雫………。涙が溢れた。





「香澄…。なんで…僕の前から消えたんだよっ…」






一雫が……どんどん増え、涙が一気に溢れ出した。






頭の中には、テツの『過去』が浮かんでいた……。