Dear My Angel
「それどころじゃなかった……って?」


「その相談を、恵ちゃんにしようと思ったら…」

「思ったら…?」



「逆に…恵ちゃんから恋の相談を受けた…。聖斗くんから告られたって。…私からどんどん離れてっちゃう……。私、一人になっちゃうよ……それが怖くて、辛くて、悲しくて…私、どうかなっちゃいそうで……」



言い終わると、香澄の目からはまた涙が溢れていた。
テツは香澄の手を握りしめて言った…。



「…二人共、君から離れてないよ!ただそれぞれに、大切な人が増えただけで、決して君から離れる訳じゃないよ…」


香澄は淋しそうに微笑み、言った。


「…初めてだよ。こんな風に自分の気持ちを話したのは。テツくんは…本当に優しいね…こんなワガママな私の話を聞いてくれるんだから」
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