ただ今、政略結婚中!
アパートメントの前で、ヘンリーが私を見て慌てて近づいてきた。


『Where did you come?』
(どこへいらしていたのですか?)


これならわかる。


「えっと、Park」


『とにかくお部屋へ、風邪を引いてしまいます』


私の言葉がわかったのか、エレベーターへと促してくれた。


隼人さんの部屋番号はちゃんと記憶していた。


25階で降りて2501の部屋番号を目で探す。


「あった!」


ドアの前まで行き、動きがはたと止まる。


カギってオートロックだったような……。


仕方なくインターホンを鳴らそうとした時、ドアが内側から開いた。


「あ……」


開けたのはもちろん隼人さんだ。



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