ただ今、政略結婚中!
すっかり冷めてしまったお料理を食べ終えた隼人さんはやっと私を見た。


「どこへ出かけたい?」


「え?」


その言葉にあ然となった。


「今日一日、付き合ってやるよ」


そんな言い方にムッとしたけれど、出かけたい私はグッと堪えた。


「普通の観光旅行がしたいです」


なんか鼻で笑われ「OK」って言われたけれど、気にしないことにした。



******



アパートメントを出て通りに立つと、すーっと黒塗りの車が目の前に停まり、運転席から制服を着た白人の男性が降りてきた。


その人に隼人さんは何か言うと、白人の男性は頷いて運転席に戻った。


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