ただ今、政略結婚中!
「ジョン、もう時間ですよね?」


「ああ!そうでした。午後に会議があるんだった」


ジョンはまた会いましょうと言って慌ただしく出て行った。





私もかいた汗をタオルで拭いて、隼人さんの部屋に戻った。


お風呂に入ろう。


ジャスミンの香るお風呂は気持ち良かったから、ジムのシャワーを使ってこなかった。


カギを開けて玄関の中に入ると、何かが違うと感じた。


何だろう……?


部屋の中へ足を踏み入れると……空気が違う気がした。


ぐるっと部屋の中を見渡すと、ソファの上に無造作に置いてある女性物のブランドバッグに目が止まる。


これ……誰の?


部屋に誰かいる?


隼人さん?


恐る恐る書斎のドアを開けると誰もいない。


気のせいなわけないよね?なかったバッグがあるんだし……。


ドキドキする鼓動を抑えて、そっと寝室のドアを開けた。


ドアを開けると、目を見張ってしまった。


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