ただ今、政略結婚中!
「38度か……注射で少し下がったな。お粥は食べられるか?」


目を開けても眩暈は無くなっていた。


「は、はい」


隼人さんがお粥を作ってくれた?


嬉しいと思うと同時に、忙しいのに手間を取らせて申し訳なく思った。


時計を見ると、あれから3時間ほど経っていた。




寝室からいなくなった隼人さんは、すぐにトレーを手にして戻ってきた。


梅干しのお粥と、スポーツ飲料がトレーに乗っている。


「梅干しは食べられるか?これだけは母さんに持たせられるんだ」


「はい。好きです」


身体を起こしてスプーンを手にした。


一口食べてゆっくり咀嚼する。


「美味しいです。ありがとうございます」


私が食べ始めると、隼人さんは寝室を出て行った。


< 146 / 566 >

この作品をシェア

pagetop