ただ今、政略結婚中!
「隼人さんっ」


胸に手を置いて軽く揺さぶる。


「ここで寝たら風邪を引きます」


「あ?あぁ……」


気だるそうに瞼が開き、返事が返って来た。


「風邪を引きますから、ベッドで寝てください」


そっけなく言って立ち去ろうとすると、手首を掴まれて引き戻される。


「誘っているのか?」


「誘ってなんていませんっ」


またからかわれているんだ。


隼人さんはフンと鼻で笑うと、引っ張られて私の身体は隼人さんの胸に倒れ込んでしまう。


「もうっ!危ないですっ!」


あと数十センチの所に端整な顔があり、頬の熱が急上昇しそうだ。


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