ただ今、政略結婚中!
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ベッドに座り込んだ私の胸のドキドキはいつまでもおさまらない。


おさまらないから、眠れない。


ため息と寝返りを何度吐いただろう。


時計を見ると4時30分だった。


あと1時間もすれば起きる時間だ。


寝ようと思えば思うほど頭が冴えて、とうとう眠らずに朝を迎えた私は早々にベッドから抜け出して寝室を出た。


寝室のドアを閉めて振り返ると、飛び上がらんばかりに驚いた。


「きゃっ!」


隼人さんが目の前に立っていたからだ。


「それほど驚くことか?」


私の驚きに隼人さんは苦笑いを浮かべている。


「驚きます。まだ寝ていると思っていたから」


「シャワーを浴びてくる」


入れ替わりに寝室へ隼人さんは入って行った。


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