ただ今、政略結婚中!
******


ドレスを着るならボディを鍛えなければと、午前中はジムに行き身体を動かした。


今更遅いのはわかっているけれど。


彼女に勝てるスタイルなんて一生持てるわけがない。


もともとの遺伝子が違うし。


脳裏にエステル・コーワンの見事なボディが焼き付いて離れない。


彼女のことを考えると、自分が何だか惨めになっていく。


そんな思いを振り払いたくて、何度も頭を振り彼女のことを考えないようにした私だった。




ジムで身体を動かした後、隼人さんと数日前に行ったスーパーマーケットに行ってみた。


買い物をしていると、一緒に買い物をした時の隼人さんを思い出す。


弾丸のように聞く私に、辛抱強く答えてくれたっけ。


はぁ……隼人さんのことばかり考えてしまう……。


そして、常にエステル・コーワンも私の思考に現れる。


ふたりは私の気持ちを激しく揺さぶっていた。


今日、はっきりするんだ……。


< 164 / 566 >

この作品をシェア

pagetop