ただ今、政略結婚中!
ハネムーン?
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生理になってしまったのを隠すのは簡単だった。
だけど、私の落ち込む気持ちは隠せなかったようだった。
ミュージカルを観に行ってから3日後、19時過ぎに珍しく帰って来た隼人さんは私の作った夕食を食べていた。
「――方がいい」
ぼんやりお箸で肉じゃがを突っつく私の耳に「方がいい」の声が。
「えっ?」
顔を上げてその声の主を見る。
「塩辛いと言ったんだ。その肉じゃが、食べない方がいい」
慌ててまだ食べていない肉じゃがに視線を落とす。
「ほ、ほんとに?」
ジャガイモを口にすると、すぐに吐き出す。
なにこれ、食べられたもんじゃない。
「ごめんなさい。お砂糖とお塩を間違えちゃったみたい……お魚焼くね」
「もう食べ終わったから、焼かないでいい」
そう言われて、隼人さんのお茶碗を見ると、空っぽになっていた。
おかずは肉じゃがだけではなかったけれど、こんな失敗は初めてでへこんでしまう。
生理になってしまったのを隠すのは簡単だった。
だけど、私の落ち込む気持ちは隠せなかったようだった。
ミュージカルを観に行ってから3日後、19時過ぎに珍しく帰って来た隼人さんは私の作った夕食を食べていた。
「――方がいい」
ぼんやりお箸で肉じゃがを突っつく私の耳に「方がいい」の声が。
「えっ?」
顔を上げてその声の主を見る。
「塩辛いと言ったんだ。その肉じゃが、食べない方がいい」
慌ててまだ食べていない肉じゃがに視線を落とす。
「ほ、ほんとに?」
ジャガイモを口にすると、すぐに吐き出す。
なにこれ、食べられたもんじゃない。
「ごめんなさい。お砂糖とお塩を間違えちゃったみたい……お魚焼くね」
「もう食べ終わったから、焼かないでいい」
そう言われて、隼人さんのお茶碗を見ると、空っぽになっていた。
おかずは肉じゃがだけではなかったけれど、こんな失敗は初めてでへこんでしまう。