ただ今、政略結婚中!
じっと見つめる視線に耐えきれなく、隼人さんから離れようとすると、両頬を大きな手で包み込まれた。


そして落ちてくる端正な隼人さんの顔。


唇が重ねられて、私の心臓が暴れはじめる。


隼人さんの舌がゆっくりと口内を探り、舌を吸われ弄ばれる。


何度も何度も角度を変えて繰り返すキスに、身体の芯が熱を帯びていく。


立っていられないほどのキスに、足の力が入らなくなる。


「今日は嫌がらないんだな」


私の下唇を軽く噛むと、隼人さんは意地悪く言う。


「……」


答えられない。


隼人さんの大きな手が私の頭に置かれ2度ポンポンと叩かれる。


「旅行の準備をしておけ。明日からカンクンへ行く」


「……カンクン?」


キスにぼうっとなってしまい、突然言われて頭が働かない。


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