ただ今、政略結婚中!
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リムジンに乗り込んだ私達はホテルにまっすぐ向かっている。


なぜか、向かい合わせに座った私と隼人さん、私の隣にはジョンがいて、隼人さんの隣には樋口さん。


私の隣に座ったジョンは昨日、樋口さんと先に来たと説明してくれる。


ジョンの話を聞きながら、一方では隼人さんと樋口さんの会話に耳を傾けてしまう。


「1時間後にミスター・キャボットと打ち合わせです」


樋口さんが小さなノートパソコンを開いて、スケジュールを伝えている。


「わかった。資料を見せてくれないか?確認したいことがある」


1時間後って、もうすぐだ。


もしかして分刻みのスケジュール?


どんな商談でここまで来たのかわからないけれど、秘書は通常いると思うけど、法務部のジョンまでいるってことは大掛かりな仕事なのかもしれない。


隼人さんは樋口さんから書類を受け取り、読み始めている。


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