ただ今、政略結婚中!
彼ひとり帰国?
隼人さんが日本に戻ったのは約2年ぶりらしく、彼の元へ久しぶりに会う友人や会社関係の人たちが次から次へと現れるが、そのたびに私はしとやかに微笑むだけで済んだ。
招待客は大人で、結婚式の最後の方によくある新郎と新婦のキスをはやし立てる言葉は一切なく、ホッと安堵した。
披露宴は滞(とどこお)りなく終わり、一刻も早くウエディングドレスを脱ぎたい私は招待客を見送るとメイクルームへ戻った。
頭にティアラを付けたおかげで鈍い頭痛を感じている。
ティアラを外してもらい結った髪を梳かれると、ホッと息を吐く。
「頭痛ですか?」
美容スタッフがこめかみに指を置く私を見て聞く。
「ええ……少しだけ……」
「緊張をされたのでしょう。それに長い一日でしたし、そういう花嫁様、多いんです。お薬をお持ちしましょうか?」
親切に言ってくれ、彼女の言葉に甘えて頼んだ。
花嫁らしくベビーピンクのツーピースに着替え終わると、水と頭痛薬が差し出された。
時々飲んでいる市販の頭痛薬だった。
お礼を言って2錠口の中へ放り込み、水で流し込む。
薬を飲んでも頭痛が治まることはないかも……だって、頭痛の種は隼人さんだから。
招待客は大人で、結婚式の最後の方によくある新郎と新婦のキスをはやし立てる言葉は一切なく、ホッと安堵した。
披露宴は滞(とどこお)りなく終わり、一刻も早くウエディングドレスを脱ぎたい私は招待客を見送るとメイクルームへ戻った。
頭にティアラを付けたおかげで鈍い頭痛を感じている。
ティアラを外してもらい結った髪を梳かれると、ホッと息を吐く。
「頭痛ですか?」
美容スタッフがこめかみに指を置く私を見て聞く。
「ええ……少しだけ……」
「緊張をされたのでしょう。それに長い一日でしたし、そういう花嫁様、多いんです。お薬をお持ちしましょうか?」
親切に言ってくれ、彼女の言葉に甘えて頼んだ。
花嫁らしくベビーピンクのツーピースに着替え終わると、水と頭痛薬が差し出された。
時々飲んでいる市販の頭痛薬だった。
お礼を言って2錠口の中へ放り込み、水で流し込む。
薬を飲んでも頭痛が治まることはないかも……だって、頭痛の種は隼人さんだから。