ただ今、政略結婚中!
金色の箱に黒字で印字されているのは有名な海外ブランド。


箱を開けて薄紙をめくると、目にも鮮やかなコバルトブルー色が飛び込んできた。


まるでここの海みたい……。


恐る恐る手にしてみると、高級な絹の手触り。


ワンショルダーのロングドレスだった。


困ったな……ブラジャーがつけられない。


バスローブを脱いで、下着姿のままドレスを見つめる。


ぼうっとしていると、ドアが乱暴にノックされた。


「亜希、着替えたか?」


ドアの向こうから隼人さんのせかす声。


「ま、まだ――」


その途端、ドアが開かれ隼人さんが入ってきた。


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