ただ今、政略結婚中!
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昨日のレストランの入り口で樋口さんが待っていた。


樋口さんを見つけて、ホッとした。


「こちらへどうぞ」


樋口さんは窓の向こうに用意されたテーブルへと案内してくれた。


テーブルには隼人さんとジョンが座っていた。


私を見ると、ふたりは紳士的に立ち上がる。


「体調はどうですか?」


ジョンが心配そうに聞いてくる。


昨晩のことを知っているのか?とドキッとしたけれど、すぐにパーティーを途中退出したことだと気づく。


「え……え、良くなりました……」


隼人さんは何も言わずに、私がイスに腰をかけると座った。


テーブルには美味しそうな料理が所狭しと置かれている。


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