ただ今、政略結婚中!
「買収の方はうまく進んでいるのか?」


お茶を待つ間、義父が隼人さんに聞く。


「ええ、滞りなく進んでいますが、欲が出たようで多少渋ってはいます。しかし、問題ないでしょう」


その話に誠也さんも加わり、私だけ話が全くわからなくて疎外感を受ける。


頭痛薬を飲んで、もう1時間以上は経っているのに、効いてくれず鈍い痛みにストレスを感じる。


3人は話に夢中で、私はぼんやり隼人さんの横顔を見ていた。


本当に整っている顔。


長い脚を組み、その上に手を置いている。


その指は爪がきちんと整えられてあって、つやまである清潔感のある指。


この人が私の旦那様だなんて信じられない。


ふと、手から唇に視線が移り、挙式前のキスを思い出して頬を火照らせる。


なに思い出しちゃってるのっ!


披露宴の時にも思い出しちゃったし、私どうかしてる。




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