ただ今、政略結婚中!

真実と愛

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部屋のソファに降ろされて、ホッと息を吐いた。


私よりも息を吐きたいのは隼人さんの方かもしれない。


ここまで抱いてくるのは大変だったはず。


まだ立っている隼人さんを見ると、平然とした顔で私を見ている。


「他に履くものはあるのか?」


「え?う、うん。大丈夫。でも、どうして?」


「支度をして食事に行こう」


「しょ……くじ?」


ポカンと見つめてしまう。


「腹が減っただろう?」


「う、うん……」


「なんだ?気乗りしない返事だな?」


寝室に向かっていた隼人さんは立ち止まり、振り返ると私を見る。


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