ただ今、政略結婚中!
「似合わない」


隼人さんはひとり言のように言うと、派手なレインボーカラーの水着を戻し、違う水着を見始めている。


「ビキニは嫌です」


露出度の高いビキニなんて恥ずかしくて着られない。


「それは残念だな。ここにはビキニしか売っていないのが目に入らないのか?」


そう言われて、よくよく見てみると隼人さんの言うとおりビキニしかなかった。


「……やっぱりやめ――」
「これがいいだろう」


隼人さんが決めたビキニを見ると、目がまん丸くなる。


小麦色の肌に良く似合いそうな真っ白なビキニ。


「着れませんっ!」


「似合うはずだ」


レインボーカラーの水着の時のように、私の身体にあてる真似はしないできっぱり言う。


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