ただ今、政略結婚中!
「今……なんて……」


「俺が愛しているのは亜希だ」


真剣な眼差しに嘘やごまかしでないことが分かる。


「私を愛している……?」


私を愛しているなんて信じられなかった。


「あぁ。愛している」


でも隼人さんは真面目に答える。


「本当に……?」


「本当だ。何度も言わせたいのか?」


「だって――」


後頭部をグイッと引き寄せられ、再び唇が塞がれて言葉が出せなくなる。


本当に私を愛しているの?


全然理解できない。


ちゃんと聞かなきゃ……。

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