ただ今、政略結婚中!
「亜希?」


「でも……分からないんです どうして私を愛しているのか……」


愛していると言われても素直に喜べない。


「……そうだな、本当の事を言うよ 無関心を装っていたが、この結婚は最初から乗り気だったんだ」


「えっ……」


「親父から結婚相手を聞いた時、すぐにお前の事を思い出したよ 小さい頃、よく遊びに来ていただろう?あの時、お前が気になっていたと言ったら信じるか?」


「えっ?」


顔を上げると照れくさそうな隼人さんの表情。


「高校生の俺が小学生のお前を気になるなんて正直、ありえない 自分がロリコンなのかとも思ったよ 中学生になると来なくなっただろう?それでいいと思った あの頃の俺たちでは年が離れすぎていたからな」


「あの頃の隼人さんは私を避けていたみたいに見えました」


隼人さんが私を気にしていたなんて……。



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