ただ今、政略結婚中!
ドアの音で飛び上りそうなほど驚いた私を見て、可笑しそうな笑い声が聞こえた。


「何をそんなに驚く?」


「ぼ、ぼうっとしていたから」


近づいてくる隼人さんの顔をまともに見られない。


「ん?シャワーを浴びたのか?エステはやったんだろう?」


「う、うん。オイリーなローションを塗りたくられたから落としたくて……」


両肩に手を置いて、少し屈みこむようにして隼人さんは私の唇にキスを落とした。


そしてバスローブの合わせ目に手を入れて胸の少し上に所に滑らせる。


「すべすべだ。いや、施術をしなくても、亜希の肌は赤ん坊のように柔らかでさわり心地がいい」


バスローブの右側を指で少しずらして、鎖骨の下あたりにキスを落とす。


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