ただ今、政略結婚中!
ほぼぴったりの時間にロビーへ降りると、隼人さんは外国人の男性と立ち話をしていた。


先日、パーティーで紹介された恰幅の良い銀髪の男性だ。


熱心に話しこんでいる感じではなく、隼人さんの視線が私の方に動いた。


私の姿を見ると、相手の男性に断り近づいてくる。


「お待たせし……ちゃ……た?」


聞いている最中に、隼人さんの腕が伸びて抱きしめられた。


頬に唇が落とされる。


「きれいだ」


ほんの一言でも嬉しくて、瞳を輝かせてしまう。


「これでおかしくない?」


「ああ。素敵だ」


隼人さんは私の腰に手を置くと、恰幅の良い銀髪の男性の元へ向かった。



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