ただ今、政略結婚中!
「離して!」


端正な顔が近づくのを振り切ろうともがく。


「や……」


唇が押し重なるように塞がれる。


「ん……」


ぎゅっと閉じているのに、唇をこじ開けるようにして舌が入ってくる。


「ん……ぅ……」


巧みなキスで歯列を割り、舌が口内を探り始める。


結婚式場の控室でのキスとは比較にもならないほどの深く熱いキスに抵抗する力が失われていく。


「っ……い……ゃ……」


「嫌じゃないだろう?期待に応えてやる」


ぇ……?


この場で押し倒されそうな言葉に目を見開く。


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