ただ今、政略結婚中!
「甘すぎるな……」


私もそう思う。


「コーヒー飲んで……」


よほど甘かったらしく、隼人さんはコーヒーに手を伸ばした。


「亜希、前から聞こうと思っていたが……」


「え?な、なにを……?」


隼人さんの言葉に、ドキリと心臓が鳴る。


「赤ん坊のことだ」


「あ、赤ちゃん?」


「さっきからなんでどもる?」


隼人さんの瞳が何かを疑っているように見られると、身体が火照ってくるよう。


神経質になっていて、ついどもってしまう。


「……ちょっとびっくりしただけ。急に赤ちゃんの話になるから」


隼人さんの指が髪の毛をゆっくりと梳いていく。


そっちに意識が行ってしまいそう……。


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