ただ今、政略結婚中!
「あ!そうだったね!うっかりしてた。お土産ぐらいでよかったね」


急いで取り繕うと、ぎこちない笑みを浮かべて何か言われないうちに書斎を出た。


書斎のドアを後ろ手に閉めて、ホッと肩を撫で下ろす。


怪しまれない為に、荷物は置いていくしかない……。



******



ベッドに入っても寝つけない。


今日がここでの最後の夜だと思うと眠れないのだ。


何度か寝返りを打った時、隼人さんが寝室に入ってきた。


「まだ寝ていなかったのか」


「お昼寝をしたせいか眠れなくて……」


下手なことを言って疑われないように、理由は考え済み。


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