ただ今、政略結婚中!
座った席はリクライニングシートで広く快適のはずだけれど、狭い席であれどうでも良かった。


ただ、周りからシャットダウンして眠りたい。


眠れば何も考えなくて済むから。


備えられてあるブランケットをビニール袋から取り出して頭からかぶると、目を閉じた。


目を閉じると、隼人さんの顔が思い浮かぶ。


せめて夢の中では、隼人さんと一緒にいたい。


夢の中まではエステルに邪魔にされたくない。


楽しかったカンクンで過ごした日々を思い出しているうちに、私は眠りに落ちた。


あまりにも寝すぎるので、2回目の食事の時にキャビンアテンダントの女性に心配されて起こされた。


目の前に食事が置かれても、食欲はわかずに水だけ口にしてまた眠る。




< 409 / 566 >

この作品をシェア

pagetop