ただ今、政略結婚中!
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翌日、麗香が出かけた後、携帯電話を取り出して隼人さんの番号を出す。


深呼吸を何度もして、ようやくボタンを押す。


ニューヨークは今、夜の9時頃。


きっとまだ仕事をしているはず。


数回コール音が鳴ると、隼人さんが出た。


『亜希、楽しんでいるか?』


愛しく包むような声に、目頭が熱くなり言葉がつまりそうになる。


「……うん 楽しんでる」


『そうか……良かった。と言いたいところだが、俺は楽しくないんだ。親友の為とはいえ、行かせなければよかったと思っている』


ダメだよ……そんなこと、言わないで……。


「い、今はお仕事中?」


『もちろん、寂しさを紛らわせるには仕事が一番だからな』


もうこれ以上……心が揺らぐ言葉を言わないで……。


胸が張り裂けそうに痛くて、次の言葉が出てこない。


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