ただ今、政略結婚中！
「遥人！私の親友になんてことを言うのよっ！真っ赤になっちゃったじゃないっ」


麗香が頬を膨らませて恋人を睨む。


麗香の指摘通り、私の顔は火がついたように熱い。


「話に夢中で気づかないから、ついからかいたくなったんだよ」


ふふっと微笑む彼はやっぱり女性を引き付けずにはいられない魅力がある。


でもそんな言葉を常に言っているみたいに様になっているから、私の中では彼はプレイボーイ的な位置にいる。


だけど、麗香は彼の冗談に付き合っている感じで笑っている。


「可愛い亜希ちゃんがもう人妻だなんて信じられないね？」


「もうっ！谷本さん、お口が上手すぎて嫌です」


「そうよ、亜希は免疫がないんだからちょっかい出さないで」


そんな会話を、私を除いたふたりは楽しんでいる。


オレンジ風味のドレッシングがかかったサラダが運ばれて、彼は「ごゆっくり」と言って厨房へ戻って行った。



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