ただ今、政略結婚中!
テレを隠すようにキッチンへ入り、冷蔵庫から卵を2つ取った。


冷蔵庫をパタンと閉めると、背後から腰に力強い腕が回った。


うなじに唇が触れる。


「隼人、食事を作ら――」


顎に手を置かれて、上を向かされ唇が重ねられた。


「んっ……」


「そうだな 食事をしながら話をしよう」


そう言われて、少しがっかりした気持ちになる。


隼人は頬に軽いキスを落とし、キッチンからいなくなった。


残された私は苦笑いを浮かべながら、席に着き新聞を広げた隼人をそっと見た。



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