ただ今、政略結婚中!
お義母様、裕美さんに同意を求めないでください……。


「そうですね、隼人さんが奥さんにどんなものを贈るのか興味がありますわ」


裕美さんはにっこり微笑んで義母から私に視線を移す。


「開けてみて?」


男性陣からの「食事を先にしよう」の声がないから、私はわからないように小さくため息を吐くと、まず茶色の包装紙を開け始めた。


どうか、赤っ恥をかくものではありませんように。


心の中で祈りながら、もう一枚の綺麗な金のラメの入った赤色の包装紙を開けた。


箱は光沢のある黒。


それだけでも中身が高価な物に思えてしまう。


彼の趣味?それともお店の仕様?


「なんだか、わくわくするわね?」


無邪気に義母が言う。


いえいえ、わくわくよりドキドキですから。


心を決めてそっと箱を開けた私は、拍子抜けした。


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