ただ今、政略結婚中!
何か言わなくちゃ……。


気詰まりな空気に目が泳いでしまう。


目が泳いだ先は隼人さんだ。


スーツ姿じゃない隼人さんを初めて見る。


彼は新聞から目を離さない。


息がつまりそうな雰囲気……。


私達本当に……その……Hしたの?


そう聞きたい。


「……隼人さん」


思い切って呼んでみる。


新聞から顔を上げた隼人さんの瞳とぶつかる。


その途端、心臓がトクンと一つ跳ね上がる。


「なんだ?」


「……あの、私達……本当に……あ、あの、ジョンって親切な方なんですね?」


Hをしたか聞きたかったのに、聞けずにジョンを出してしまう。


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