ただ今、政略結婚中!
「ど、どなたと比較しているんですか?可愛がって欲しくないんですけど」


長い指が顎に触れて、グイッと上を向かされる。


「や……」


抵抗するまもなく、唇が塞がれた。


「んっ……ん」


口を閉じて抵抗しようとしても、簡単に舌でこじ開けられて口内に入り込まれてしまう。


このキスに抵抗できる人がいたら知りたい。


夢中になりたくないのに、次第に全身がぐにゃりと蕩けてしまいそうなほどのキスに夢中で舌を絡めてしまう。


「ん……」


チュニックの下から手を入れられ、わき腹を撫でられると慣れない感覚に身体が引ける。


逃げる身体をグイッと引き寄せたその手はブラジャー越しの胸に触れる。


そして、彼の手はいとも簡単にブラジャーのホックを外した。


「あっ……」


驚いていると、チュニックがめくられ、露わになった胸を大きな手が包む。


「い、いやっ!」


急いで彼の手に手を重ねて止めようとした。


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