私様彼女


「会長、柔道部の件ですが…」

「部室拡大の希望ね、校長先生と理事長先生に交渉してみたけど、やっぱり無理そうね。
まあ、あの成績なら、許可が出ないのも納得だけど、伝えといてちょうだい。」


「会長、今度の生徒総会の件ですが…」

「あぁ、そろそろそんな時期ね、文化祭、体育祭に向けたスローガンを検討するんだったわね。各クラスから、候補を募ってたはずだから、それを分かりやすくまとめておいてちょうだい。」


「会長、図書館利用率の件ですが…」

「どう?改善策は見込めそう?早急に対策をうたなきゃいけない件でもないだろうけど、利用率が上がらなきゃ、新しい本を入れないっていう理事長の考えも納得だしね、今度の委員会で話し合いましょう。」



今日も生徒会室の中央にある、ふかふかの椅子に座って仕事を続ける。

校長先生の椅子よりふかふかかもしれない。



でも当たり前でしょ?



それくらい仕事こなしてるんだし。

完璧かつ迅速に。




それに比べて、


「か、会長ーーー!!!」

「森田、うるさい。」

「す、すみませーん。」

「要件は?」

「いや、あの、この資料、順番が分からなくって」

「はぁ?ちゃんと並べて渡したはずだけど?」

「いや、その、さっき人とぶつかっちゃって…そのときに…」

「・・・ぶちまけた?」

「・・・はい。」

「はぁー、もういいわ、そこ置いといて、後でやっておくから。」

「す、すみません・・・。」

「とりあえず、何もせずに座ってていいわ。」

「・・・でも。」

「でもはなし。」

「・・・はい。」





< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop