私様彼女
1
「会長、柔道部の件ですが…」
「部室拡大の希望ね、校長先生と理事長先生に交渉してみたけど、やっぱり無理そうね。
まあ、あの成績なら、許可が出ないのも納得だけど、伝えといてちょうだい。」
「会長、今度の生徒総会の件ですが…」
「あぁ、そろそろそんな時期ね、文化祭、体育祭に向けたスローガンを検討するんだったわね。各クラスから、候補を募ってたはずだから、それを分かりやすくまとめておいてちょうだい。」
「会長、図書館利用率の件ですが…」
「どう?改善策は見込めそう?早急に対策をうたなきゃいけない件でもないだろうけど、利用率が上がらなきゃ、新しい本を入れないっていう理事長の考えも納得だしね、今度の委員会で話し合いましょう。」
今日も生徒会室の中央にある、ふかふかの椅子に座って仕事を続ける。
校長先生の椅子よりふかふかかもしれない。
でも当たり前でしょ?
それくらい仕事こなしてるんだし。
完璧かつ迅速に。
それに比べて、
「か、会長ーーー!!!」
「森田、うるさい。」
「す、すみませーん。」
「要件は?」
「いや、あの、この資料、順番が分からなくって」
「はぁ?ちゃんと並べて渡したはずだけど?」
「いや、その、さっき人とぶつかっちゃって…そのときに…」
「・・・ぶちまけた?」
「・・・はい。」
「はぁー、もういいわ、そこ置いといて、後でやっておくから。」
「す、すみません・・・。」
「とりあえず、何もせずに座ってていいわ。」
「・・・でも。」
「でもはなし。」
「・・・はい。」