時の流れに逆らって…

-Part 1-

チュン―…チュンチュン―…



……鳥の声が聞こえる……



……私はいつの間に眠ってしまったのだろうか?



鳥の囀りで目が覚めた藍音はふと思った。

確か昨日は匡政と話していて…私はそこでそのまま寝てしまった…?

昨日の事をあれこれ考えていると、足音が近付いて来た。足音は、藍音の部屋の前で止まった。

『失礼致します。お目覚めですか?』

襖の向こうから声がした

『千春サン?入って来て下さい。』

藍音が慌てて身なりを直していると、襖が開き

『藍音様、お早うございます。』

と頭を下げながら言う

藍音も『お早う♪千春サン♪』と言った

それから千春サンに着替えを手伝ってもらい(藍音は一人で着物が着れない…)身なりを整えた。


朝ご飯を食べながら昨日の事を千春サンに聞いた。

『そういえば、私って昨日どうやってここまで帰って来たの?まさか千春サンがおぶってくれたの??』

『いいえ。昨日、藍音様が親方様との話しの途中で眠ってしまわれたとの事だったので迎えに行きましたら、親方様がここまで藍音様を運んで下さいました♪』

笑顔で言う千春サン、藍音はビックリして聞き返した

『匡政様が運んでくれたの?!お礼言いに行かなくちゃ!』

『フフ♪親方様が人をお運びになるなんて滅多にないこと何ですよ?余程、藍音様の事が大切なのでしょう。』

それを聞いて照れるが

『私今からお礼言って来る!』

藍音は御膳をそのまま置いて千春サンの言うことも聞かずに部屋を飛び出して行った。



今、匡政が何処にいるかも知らずに―…



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