時の流れに逆らって…
『……ちょっと用事があって……』

藍音がポツリと言うと匡政が膝を付き目線を合わせ聞いてくる

『このような廊下でどのような用事なのだ?』

どう言い訳しようか考えながらちらっと上を見上げると浅野が睨んでいたので焦って目を反らしてしまった…

『…………ひなたぼっこ………』

下を向きながら呟く…

『フゥ―…ここは余り日当たりが良くない…私が日当たりの良い所を教えてやろう。』

藍音の気持ちを知ってか知らずか匡政は微笑みながら言う

『親方様!そのような事は某(ソレガシ)が!』

匡政の後ろから浅野が言う。藍音は浅野の言葉を聞き少し身震いした

…―フワッ―…

急に体が浮いたかと思うと視界が高くなる(藍音はお姫様抱っこをされていた)

藍音自身もビックリしているが匡政は何食わぬ顔で歩いて行く

『親方様!貴方様がそのような事をしては…『基成(モトナリ)…そなたは下がってよいぞ。それから千春、そなたは藍音に食べ物を…二人ともわかったな?』

浅野の言葉を遮り匡政は二人に命令を出す

二人とも『『ハッ』』と言い速やかにその場から去って行った





















『すみません…降ろしてもらえますか?』



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