記憶の桜 -栄枯幻世-
「脱いで良いですか?」
「駄目だ」
「脱いで来ます」
「駄目だって、言ってんだろ!」
こいつ、薄々気付いてたが、頑固だな。
「涼ちゃん、落ち着きなよ」
「沖田さん、貴方まで…。嫌です、脱いで来ます」
総司が宥めるが、涼は聞く耳を持たず、部屋を出て行こうとする。
俺は立ち去ろうとする涼の腕を掴み、畳に押し倒した。
「そんなに脱ぎてぇなら、俺が脱がしてやるよ…」
そう言って、涼の帯に手をかけた。