記憶の桜 -栄枯幻世-
【土方】


ようやく、眠ったか…。




俺は一度握っていた手を放し、血と雨で汚れた服を手早く着替え、もう一度、涼の手を握ってやる。




「土方さん、終わりましたよ。長州の仕業って事にしておきました」




障子が開いたかと思うと、総司が事後処理の報告に来た。




「ご苦労だった。悪いが、近藤さんに今夜の事、報告しておいてくれ。今、こいつを独りには出来ねぇ」




「涼ちゃんですか?分かりましたよ、近藤さんには僕から言っておきます」




総司が意味ありげな笑みを浮かべる。











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