記憶の桜 -栄枯幻世-


「何だ、その笑みは」




「別に、何でもないですよ」




そう言って、総司は部屋から出て行った。



おかしな野郎だな…。




俺は眠っている涼に視線を向けた。




悪い夢を見ているのか、眉間にシワを寄せ、時々肩を揺らしている。




「大丈夫だ…」




俺が頭を撫でてやると、眉間のシワが無くなり、安心したような顔になる。










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