記憶の桜 -栄枯幻世-


すると、障子が開いた。




「おはよう、葛葉君」




障子を開けたのは、近藤さんだった。




彼は部屋の中に入って来ると、持って来た羽織を土方さんにかけた。




「喉渇かないかい?」




昨日から何も口にしていないせいか、多少の喉の渇きと空腹を感じた。




「少し…」




「じゃあ、今、水と何か食べる物を持って来よう」




そう言い残し、近藤さんは部屋を出て行った。






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