記憶の桜 -栄枯幻世-
第6章 霜降る夜


「来ないで…、私に触らないで…っ」




尾崎が狂喜に顔を歪めながら、気持ち悪い手で私に触れて来る。




「…、…ょう、涼っ!」




名前を呼ばれ、目を開けると、心配そうに眉をひそめる平助君と原田さんがいた。




「大丈夫か?」




「はい…」




原田さんの手を借りて、身体を起こした。








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