記憶の桜 -栄枯幻世-
第2章 繚繞の胎動
「んっ…」
小鳥の囀りを耳にし、私は目を開けた。
自分の居場所を把握しようと身体を起こし、室内を見渡す。
しかし、分からなかった。
すると、廊下から足音がしたかと思うと、障子が開けられた。
「あ、起きたみたいだね」
開けられた障子の所には、昨晩会った青年が立っていた。
確か、総司と呼ばれていたはずだ。
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