記憶の桜 -栄枯幻世-
「こう?」
「そう…。お前…に…は…笑顔が…1番…似…合う…ょ…」
言葉が途切れ、彼は目を閉じる。
頬に触れていた平助君の手から力が抜けた。
「平助君…?嘘…、嫌だよ…。目を開けて!平助君っ!!」
何度呼んでも、彼が目を開ける事はなかった。
医務室に皆の啜り泣く声が響く。
「うわぁああぁあぁぁあ!!!」
私は冷たくなった平助君の手を握り、泣き叫んだ。
こんな別れ方は哀し過ぎるよね…。
平助君…。