記憶の桜 -栄枯幻世-
そんなある日。
私は井上さんと一緒に夕食の支度をしていた。
「近藤さん…、遅いですね」
近藤さんは二条城に呼ばれ、行ったきり帰って来ない。
「確かに遅いねぇ」
井上さんは心配そうに外を見つめた。
すると、永倉さんと原田さんが勝手場にやって来た。
「今晩は何だ?」
平助君が亡くなってから、しばらく落ち込んでいた永倉さんだけど、今になっては以前と同じくらい元気になった。
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